自由帳

Ask perfection of a quite imperfect world.

15/03/2016: 東へ西へ

昨日通勤途中に、電車とホームの間に人が落ちたのを見た。正確に言えば、電車とホームの間にある空間に人間が嵌っているのを見た。初めて見た。中年(と言うには少し若いくらい)の女性が顔面蒼白のまま、虚ろな目でバンザイをして駅員に引っ張り上げられていた。彼女は意図しない形で、大量のお降りのお客様に押しやられ、不運にもあの空間に吸い込まれてしまったのだ。心から可哀想だと思った。一日の始まりをあんな形で迎えてしまった彼女の、あの日のオフィスライフに逆転劇はあったのだろうか。

満員電車について語る人はそれなりに多い。怨嗟の対象として呪う人もいれば、現代日本社会の癌だと言って解決策を論じる人もいれば、歌のネタにしてしまう人もいる。僕も多くのサラリーマンと同様に毎朝満員電車に乗って職場に運ばれていくのだが、個人的には幾つか謎に包まれていることがある。

①乗客を押し込めたりホームの安全管理をしているあの人たちは何処から来て何処へ行くのか?

朝のラッシュ時には一つのドアに一人と言ってよいくらい、溢れそうな乗客を車両の中に押し込んだり、溢れた乗客が電車と接触しないように安全管理をしている人がホームに配置されている。あの人たちが真昼間にホームにいることは当然ない。彼らは一体、どのタイミングでホームに現れ、どのタイミングでホームから去るのだろうか?どう考えても昼間の駅にあの人数を投入するような仕事はない。きっとアルバイトで賄っているのだろうと思い検索してみたところ、以下のサイトがヒットした。

http://www.tokyu.co.jp/company/recruit/staff.html

哀れな家畜たちを狭い檻に無理やり押し込むことによるそこはかとない快感を味わって金を貰いたいという、歪んだ性格の方は是非ご検討下さい。少なくともこれをやっている間は満員電車に乗らなくていい。僕もいつかは押し込む側に回りたい。(これに従事している方々がそうだと言うつもりは一切ないです、念のため)

②車両への負担

人間は案外重い。電車の底が抜けたら楽しいだろうなと度々思う。電車の設計をしている人の話を生きている間に一度は聞きたい。どのような想定で車両は製作されているのだろうか。車両の重量そのものや、コストとの兼ね合いもありそうなので、丈夫にすればそれでOKというものでもないだろう。こういう所に人間の知恵は潜んでいると信じている。

③車掌の精神

「電車大変混み合いましてご迷惑をおかけしております。申し訳ございません。」車掌のこの””台詞””に全く感情がこもっておらず、一向に解決しないのだから本当に腹が立つと宣う同期がいた。ちょっと待って欲しい。車掌だって言わされているんですよ。お客様として不平不満を存分に吐ける身分はまだいい。自分では一切解決できないような問題を目前にして、ただただやりたくもない空虚な謝罪をするしかない(それも毎日!)車掌の心が僕は心配だ。彼は誰に鬱屈した気持ちをぶつければよいのだろうか。

長々と書いたが謎と呼べるものは何一つなかった。明日も電車に乗ります。